礫岩を中心とした平戸の植物と植生の調査研究は、明治時代に始まり、本格的には戦後になってから西海国立公園の指定(昭和30年指定)と共に進められました。その後は、70年代に外山三郎氏(長崎大学)を中心に植生調査が行われ、つづいて80年代に入り伊藤秀三氏(長崎大学)によりさらに詳しい調査が行われました。
この結果、礫岩には大陸系の植物であるイワシデ(カバノキ科)やダンギク(クマツヅラ科)、チョウセンノギク(キク科)と日本列島系のイブキジャコウソウ(シソ科)、平戸島固有種のイトラッキョウなど岩石地特有の植物が群落をなして共存することがわかり植物学的に貴重であるばかりでなく、地理学的にもあまり例をみないことがわかりました。
※礫岩から植物等を持ち帰ることは、法律で禁止されています。