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我が国の長い歴史の中で生まれ、育まれ、今日まで守り伝えられてきた古い建物や美術品、技術、生活や習わし、貴重な国民の財産を文化財と呼んでいます。
文化財には、色々な種類があります。主に、有形文化財、無形文化財、民俗文化財、記念物、文化的景観、伝統的建造物群、埋蔵文化財などがあります。
文化財に加え、有形・無形の未指定の文化的資源を含むものを文化遺産と呼んでいます。
文化財に加え、有形・無形の未指定の自然環境資源を含むものを自然遺産と呼んでいます。
文化遺産と自然遺産の両方を含むもので、学術的な価値を示すことは難しいものの、地域に伝わる伝承や好ましいと思う風景、産業や名人など、より幅広い概念を地域資源と呼んでいます。
文化財は、地域や時代をこえた「みんなの宝」でもあります。何世代もの人々が積上げてきた歴史の賜物であり、それを見守ってきた自然や景観が織りなすものです。しかし、この宝は、一度失うと二度と元どおりにすることができません。文化財を未来に継承していくリレーをこの時代で終わらせるのではなく、これからの先の時代にも受け継いでいく必要があります。
貝塚、古墳、城跡などの遺跡で歴史上又は学術上価値の高いものや、庭園、海浜、山岳などの名勝地で芸術上又は鑑賞上価値が高いもの、さらには、動物、植物、地質鉱物で学術上価値が高いものを記念物と呼んでいます。
学術上貴重でわが国の自然を記念するものとして指定された動物、植物、地質、鉱物、そしてそれらに富む天然保護区域を天然記念物と呼んでいます。
地域における人々の生活や生業、地域の風土により形成された景観地で我が国民の生活や生業の理解のため欠くことができないものを文化的景観と呼んでいます。
文化的景観の中でも、地域の特色を示す代表的なものや、他に例を見ない独特なものとして国が選定したものが「重要文化的景観」です。
平戸島の文化的景観は、平成22年2月22日に国の重要文化的景観に選定されました。かくれキリシタンの伝統を引き継ぎつつ、島という制限された条件の下で継続的に行われた開墾や生産活動によって形成された棚田郡や、人々が生活を営む居住地によって構成された文化的景観です。
周囲の環境と一体となっている伝統的な建造物群で価値の高いものを、伝統的建造物群と呼んでいます。
平戸市大島村神浦の街並みが、平成20年6月9日に国の伝統的建造物群保存地区に選定されています。中世の漁村集落から鯨組の創業、その後の廃業を経て近世的な港町となり、その当時の様子を大きく変容することなく、離島の港町の風景を現代まで伝えている貴重な場所です。
土地に埋蔵されている文化財(一般に遺跡と呼ばれている)のことです。遺跡には貝塚、古墳、住居跡、城跡などの遺構があり、建物には土器、木器、石器などがあります。
埋蔵文化財は、調査により土地に埋もれてきた地域の歴史を、具体的に明らかにすることができます。埋蔵文化財は、一度壊されると元に戻すことはできません。できればそのまま現状で保存されるのが望ましいですが、そこで、保存できない場合は、発掘調査を行い記録を残します。
世界遺産とは、地球や人びとの歴史がつくりだしてきた「世界の宝物」のことです。この宝物を未来につたえていくために、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)という組織が世界遺産条約というルールを定めて世界中の仲間と力を合わせて守っていこうとしています。日本も1992年(平成4年)にこの仲間に加わりました。
世界遺産は、「文化遺産(建物や遺跡など)」、「自然遺産(地形や地質、生態系など)」、「複合遺産(文化遺産と自然遺産が合わさったもの)」の3種類に分けられます。
平成30年7月に世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が登録され、平戸市では平戸の聖地と集落(春日集落と安満岳)、(中江ノ島)の2か所で構成されています。