平戸港と松浦氏の歴史
長崎県平戸市は、古くから外国との交易のための重要な航路の中に位置していました。
平戸港を中心に外国の⽂化を多く取り受け⼊れてきた長い歴史があります。
その平戸で、古くは平安時代から勢⼒を伸ばし平戸藩主となったのが「松浦(まつら)氏」。
松浦氏は、この⼟地柄を活かし、海外交易などで⼒をつけ、この⼟地で盤石の地位を築いていきます。
古くから平戸に根を下ろし、数百年にわたってこの⼟地を治めてきたため、平戸港周辺には、松浦氏の歴史を今に伝える貴重な関連⽂化財が数多く残されています。
平戸瀬⼾にそびえる平戸藩主松浦氏の居城
「平戸城」は、⼭⿅素⾏によって著された軍学「⼭⿅流(やまがりゅう)」に沿って設計されたお城。
⼭⿅流によって建築された城は大変珍しいものなのだそうです。
現在の天守閣は、1962(昭和37)年に建てられたもので、城内には平戸藩時代の文化財などが展示されています。
半島に突き出た天守閣は、平戸市のランドマーク的存在。
城内には、平戸藩主を祀った「亀岡神社」も。
10⽉24⽇から10⽉27⽇までの秋の大祭は「平戸くんち」として知られており、なかでも「平戸神楽(大大神楽)」の奉納は年に⼀度、この亀岡神社でしか見られない大変貴重なものです。
平戸城周辺⼀帯は「亀岡公園」として整備されていて、桜やヒラドツツジなど季節の花が咲き乱れるようすは見事!
石垣にそって列をなす「マキ並⽊」も見ごたえたっぷりです。
平戸やその藩主の歴史に思いを馳せながら、天守閣や敷地内をのんびり散策してみてください。
松浦氏は、平戸を治めてきた長い歴史の中で、数か所に居城を構えてきましたが、いずれも平戸港の周辺に築城しています。
1200 年初期には、平戸港から程近い「舘⼭」に居城を構えていました。この場所は現在の「松浦史料博物館」の裏⼿にあたります。
室町時代・戦国時代には、勝尾岳の「⽩⻁⼭城」に居城しており、現在ここは「勝尾嶽城跡」が残っています。
期間限定の⼀般公開時に、お殿様の特別な庭園を楽しむ
平戸城の城下には、松浦家の別邸「棲霞園」が残されています。
平戸藩第10代藩主の松浦熈が、政務の合間に和歌を詠み、⾵景を観賞し、心を癒すことを目的としてつくられた庭園でした。
この庭園には、平戸城本丸へと続く⼆つの階段が残されており、ここから登城していました。
それぞれの季節に美しく映えるよう作庭され、美しく変化する⾃然を楽しんでいたようすが伺えます。
この「棲霞園」は、普段は⼀般⾮公開となっていますが、年に1度だけ開放されます。
お殿様が雑務から離れ、ひっそりと心休まる時を過ごしたお庭を、特別な気分で眺めてみてください。
平戸藩最後の藩主の⾃邸で、貴重な史料に触れる
平戸城から、平戸港を挟んで対岸側にある「松浦史料博物館」は、平戸藩の最後の藩主である松浦詮(あきら)の邸宅を改装したもの。
「旧松浦家住宅」として長崎県指定有形⽂化財となっている貴重な建物です。
ここには、松浦家と平戸の歴史に関する貴重な史料が収蔵されています。
平戸城から、平戸港を挟んで対岸側にある「松浦史料博物館」は、平戸藩の最後の藩主である松浦詮(あきら)の邸宅を改装したもの。
「旧松浦家住宅」として長崎県指定有形⽂化財となっている貴重な建物です。
ここには、松浦家と平戸の歴史に関する貴重な史料が収蔵されています。
邸宅横にある茶室「閑雲亭」では、お茶とお茶菓⼦を頂くことができます。
歴史あるお茶室で、松浦家に伝わる『百菓之図元本』より再現したお菓⼦「烏⽻⽟」や、平戸の伝統銘菓「カスドース」を楽しむことができますよ。
「松浦史博物館」の東側には「お部屋の坂」と呼ばれる石畳の坂道があり、当時、側室である「お部屋さま」のお屋敷があった名残を感じることができます。
「松浦史博物館」の東側には「お部屋の坂」と呼ばれる石畳の坂道があり、当時、側室である「お部屋さま」のお屋敷があった名残を感じることができます。
古い町並みを歩く
「松浦史料博物館」から港周辺に降りてくると、古い街並みが残されている、かわいらしい通りが目を引きます。
現代の街並みのなかに、歴史の名残が大切に守られたレトロな通りを歩けば、SNS 映えする撮影スポットも見つけられそうです。
あったかい足湯もありました!
かわいらしい町並みを散策したあとは、ここでひと休みするのもお勧めです。
松浦氏は、この平戸港の⼟地柄を活かし、古くからこの地を治めてきました。
平戸港の周辺を散策するだけでも、その長い歴史の痕跡が大切に残されているようすを目の当たりにすることができますよ。